オリジナルのPC用のデスクを作成~工場からお届け~
工場からお届けシリーズ。
いつもは、木工所からのお届けが多いのですが今日はスチール製品を加工している工場からお届けします。
このZの形状のスチールパイプいったい何に使うものなのでしょうか?
まっすぐな角パイプと斜めに角度切りされた角パイプ。
この2種類のパイプを突き合わせて、溶接棒を使って溶接していきます。
溶接棒とは、パイプとパイプを接合させるための金属の細い棒です。
熱を加えて溶かして接着する際に、強い光が出ます。
テレビなどでも、溶接している職人さんがマスクやゴーグルなどをして作業をしている様子などが映ることがあります。
この強い光を直接見てしまうと目が焼けてしまうそうです。
一瞬でというわけではないのですが、見すぎると角膜が炎症を起こしてしまうようです。
なので、溶接の作業をしている様子はかなり遠目からの見学。
溶接した部分は、溶けた金属が盛り上がってついている状態です。
強度を優先するのであれば、この盛り上がりはそのままにしますが、見た目がイマイチ。
そのため、グラインダーという工具で盛り上がりを削って研磨します。
そして出来上がったのがこちら。
デスクの脚の完成です。
組立式のため、Z同士を繋いでいる横のパイプは、ネジ止めです。
こちらの工場は、主にスチールをカットしたり溶接して組み立てたりしている工場です。
スチールの加工には、専用の機械が必要になってくるため、工場ごとに作れる製品が異なってきます。
デスクの天板の下の配線受けです。
こちらは、薄いスチールの板を曲げて作ったもので、いわゆる板金加工と言われるもの。
この板金加工は、大きなスチールの板をカットしたり、抜いたりした後、プレスブレーキまたはベンダーと呼ばれる機械で曲げます。
ここの工場では、そういった機械がないので協力工場で製作してもらっています。
スチール板は、板状のままだと板自体の重みでたわんでしまいますが、曲げることで強度がでるのでたわまなくなります。
そして、木工所で作った天板をのせて・・・
デスクの完成です!!
と言いたいところなのですが、完成のイメージを仮組しただけの状態。
スチール製品は塗装やメッキなどの処理が必須です。
このままの状態だと、すぐにサビてしまいます。
重量のあるパソコンのデスクトップを2台乗せて使う、PC用のデスクのため脚を塗装する前に強度の確認を行っている様子でした。
今回は、天板と同様に脚も黒に塗装します。
塗装も、塗装専門の工場があり、そちらに持ち込んで塗装してもらいます。
ただ、金属製品の塗装はただ色を塗る(吹き付ける)だけではありません。
塗装後、高温で焼き付けて乾燥させます。
これが、焼き付け塗装と言われるもので、塗料の種類によって仕上がり方が異なります。
一般的なのは、メラミン塗装と言われ、メラ焼きと呼ばれています。
メラミン焼き付け塗装、略してメラ焼きです。
この後、完成した試作を元に量産に向けての打ち合わせです。