これはいったい何??実はすごいプロジェクトでした!!大型ドローン用展示什器のご紹介。
特注什器.comには、様々なお問い合わせがあります。
よくあるお問い合わせは、商品の陳列棚や展示台、ショーケース。
店舗のカウンターや収納棚、オフィスのデスクなどです。
商品の展示台などは、木工とアクリルを組み合わせたもの。
木工とスチールを組み合わせたものなどが多いです。
中には、何に使うのだろうという変わった物を製作したいというお問い合わせもあります。
今回、ご紹介するのは、数あるお問い合わせの中でもかなり特殊。
そんな事例をご紹介します。
まずは、製作したいという模型の写真から。
完成イメージの模型写真と、図面を頂きました。
どのように使う物なのかいまいちピンときません。
問い合わせの内容には、固定翼機体の展示什器とのこと。
固定翼機体?
ナンダソレハ・・・
詳細をお伺いすると、大型のドローンを展示会で展示する用の台を製作したいとのことでした。
そのドローンは8mほどの大きさで、重さも200Kgぐらいあるとのことなのです。
土台の材質も、同形状でアルミ、木製、
ただ、乗せるものの重量や耐久性、製作方法などを考えると木製が一番良いだろうと判断して木工でお見積りをさせて頂きました。
やり取りを重ね、最終的には木工の中でもMDF材を使うことに。
MDFについては、下記のコラムで詳しくご紹介しています。
このMDFを採用したのには理由が2つあります。
それは色と形状です。
当初は白を想定していましたが、着色されたいとのこと。
単色がご希望とのことだったのでMDFが一番。
このMDFは、厚みが豊富です。
カットした小口面の仕上がりも綺麗で、吸い止め処理をすれば塗装の上りも綺麗です。
ご希望の色指示いただいて、サンプルを作成して選んでいただきました。
小口の仕上がりも綺麗なMDF。
今回の什器は、微妙な曲線や、くり抜きなどが多い形状です。
そう、小口面がたくさんあるのです。
デザインだけでなく、移動運搬のことも考えて、持ち手のくり抜きも多数あります。
この形状、芯材を組んで作ることが到底出来ません。
そういった理由でMDFを採用しました。
さて、実際に製作はどうやって行っていったのか。
NCルーターという機械を使って材料を加工して製作を進めていきました。
NCルータは、木材・プラスチック材・金属材などを加工する機械の一つです。
数値制御(NC:Numercial Control)によって刃物で切削加工するための装置で、
複雑な切り欠きをする形や、微妙な曲線、緻密性を必要とするような場合に活用します。
数値制御というと難しく聞こえますが、加工機械にPCのようなもの(NC制御盤)がついていて、
図面のCADデーターを機械に打ち込んだら、その通りに刃物が動くというわけなのです。
このNCルーターをフル活用して、1枚1枚微妙に異なる曲線や、材料同士をつなぎ合わせるための溝の加工を施しました。
機械がやってくれるとは言え、この材料をカットするにもかなりの時間を要しました。
そしてできたのがこちらです。
厚さ21㎜のMDFをご説明したNCで加工し、組み立てました。
塗装の仕上がりも綺麗。
この色合い・・・
ドローンが乗ると言われている部分には、緩衝材のゴムを貼っています。
かなりの重量のものが乗るので、緩衝材も20㎜と厚め。
弾力性もありながら固さもあるものを、相談してチョイスしました。
何かに・・・に似ている。
製作した什器だけを見ると、何に使う物なのかさっぱり見当がつかない什器でした。
ただ、什器そのものの形がかなりカッコいい。
あー!!!ヱヴァンゲリヲンの初号機!!
こう思ったのは私だけでしょうか?
当初は、展示会場に直接送る予定でしたが、先行で必要になったとのこと。
納期を早めてほしいと言われ、ちょうど長期休みと重なる時期だったこともあったので間に合うか微妙でしたが、
無事に南相馬市へ送り出しました。
そして、無事に乗せられましたと送られてきた写真がこちら。
こ、これがドローン!?
もはや小型の飛行機のような形ではありませんか。
今回ご依頼を頂いたのは、このドローンのデザインと設計をされた方からでした。
企業様とタッグを組まれて、このドローンのプロジェクトに参加されていたそうです。
HPのトップのイラストも描かれているデザイナーの方。
塗装を施すために、マスキングをしないといけなかったらしくこの台がとても役に立ったとのことでした。
これが展示されたのはJapan Drone2020というドローンの展示会。
実際に、私もお伺いしてきました。
その際の写真がこちらです。
もはや、これがドローンとは思えません。
固定翼型ドローンと呼ばれる機体だそうです。
南海トラフ巨大地震など大規模災害時、広域災害時における情報収集等を目的としているそうです。
こちらは、実物の模型機。
実装に向け、国土交通省の認可を受け研究開発が進められている最中だそうです。
そんなすごいプロジェクトだったとは。
土台だけとはいえ、少しだけですが関われて誇らしい!!
そんな気分にさせてくれた展示台をご紹介いたしました。