みんなが使いやすいように!特注の受付カウンターを設置しました。
ご無沙汰しています。
2021年、最初のお知らせがまさかの、緊急事態宣言のお知らせになるとは思ってもみませんでした。
早く落ち着いて日常を取り戻したいですね。
12月の半ばから年末にかけて、「年明けに什器納品してほしいです」という問い合わせが立て続けにありバタバタしていました。
そのうち何件かはご注文いただき、打ち合わせ&什器納品と慌ただしくしていました。
クリニックの休憩室のデスクに始まり、百貨店に日本酒の陳列棚を設置。
オフィスに特注テーブルをお届け&組立。
移動式のスチール製プリンター台、架台etc・・・
私以外の社員も、緊急事態宣言下の中、打ち合わせや納品に奮闘しております。
今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
前書きが長くなりましたが・・・
今日、ご紹介するのはコロナウイルスの第二波?が落ち着いていたタイミングで納品した、神田北口診療所の受付カウンターです。
施工事例にも掲載しています。
エピソードが多数あったので、ブログで詳しくご紹介します。
元々受付カウンターして使っていたのは、既製品のデスクとスチールカウンター、ラックを組み合わせて設置していらっしゃいました。
受付カウンターとしては高さが低いということで、木の角材を買ってきて土台にしてみたり。
スタッフの方たちで色々と工夫して作ったそうです。
ただ・・・使い勝手がかなり悪かったそうで、業務に弊害があったそう。
そこで、思い切って良いものを特注で作ろうという話になったそうです。
今回の受付カウンターを製作するにあたって一番クリアしたい問題は、天板のサイズでした。
患者さんとやり取りをする受付カウンター天板が、スタッフ用のデスク部分に大きくかぶってしまっていました。
さらに、デスク部分と受付カウンター部分の間が狭く、ノートパソコンをギリギリ開いて置ける程度しかない状態。
パソコンを使いながら、書類を書く必要があるため、パソコンは必然と薄暗い奥に追いやって使っているそうです。
合わせてプリンターやパソコン、電子機器などの配線もごちゃごちゃになってしまっているから「スッキリさせたい」というご要望もありました。
電子機器の置き場所と配線ルートの確保なども合わせてご提案をすることになり採寸を行いました。
現在使っている状態のサイズや、使用する物のサイズも測って図面に反映させていきます。
図面を作成して、再度現地でご説明とお打ち合わせを行いました。
先生やスタッフの方が、不在だったこともあり、後程パースも合わせて製作しました。
清潔感があり明るく見える白を基調で、アクセントに木目を使うことに。
上の2枚がそのパースです。
床の色や診察室の扉の色に近い濃い色の木目か、ナチュラルなイメージの薄い木目にするか悩まれていました。
サンプルを取り寄せてみてもらったのですが、サンプルだけではイメージし辛かったようです。
最終的には、重たい印象にならないように、薄い色の木目に決まりました。
その後の変更は図面やパースを元に、配置関係や使い勝手などをご確認頂き、メールや電話などでもやりとりを進めました。
お問い合わせ頂いてから、現地に採寸と打合せ~施工までおよそ1か月半。
タイトなスケジュールの中で進めていけたのも、このパースのおかげです。
打合せのお時間調整や、ご判断やお返事も早く、先生やスタッフの方のご協力のおかげでもあります。
先ほど、採寸に行ったとお話ししましたが、採寸の際に注意しないといけない点があります。
設置する場所はもちろん、エレベーターのサイズや搬入経路のサイズを確認しておくことも重要です。
スーパーマーケットや大型の商業施設などは、業務用の大きなエスカレーターが大抵あります。
ただ、ビルのテナントや小型の建物の場合、人が乗る用の小さなエレベーターしかない場合がほとんどです。
今回の神田北口診療所様の入っているビルも6人程度しか乗れない小さなものでした。
幅や高さ、奥行きと入り口の間口などを測り、什器の分割にも注意を払って設計しました。
ただ、やはり搬入は大変でした。
什器だけを載せてエレベーターを動かすことも出来ないので、わずかなスペースに職人さんも乗り込んでの搬入となりました。
写真は、作業中の風景、ほとんど完成に近い状態です。
この後、天板をのせて完成となります。
その天板には、2口コンセントを設けています。
デスクの足元にはプリンターや業務に必要な電子機器も設置されるので、配線が確保できるように配線孔キャップも設けています。
下の収納部分の同線は、見えない部分は切欠きにしてコストをカットしています。
設置工事の際には、診療所をお休みにしていただきました。
スタッフの方も機械の移動やお掃除、日々の業務などをしながら、施工の様子をチラチラ見ていらっしゃいました。
先生は、往診のため出たり入ったりされていて、戻ってくるたびに作業が進んでいるのを感心して下さいました。
完成した受付カウンターがこちらです。
気にされていた、患者さんとやり取りするカウンターと、スタッフの方が使うデスクの天板のバランスがよくなり、スタッフ側のデスク部分がゆったりとしました。
足元のデットスペースになる部分も収納として使えるように、棚+ワゴンを設けました。
ワゴンにすることで物の出し入れもスムーズになります。
コーナー部分も完全に塞いでしまうのではなく、少しでも収納量が確保できるようにしました。
コロナの影響もあり、マスクやアルコールなど置いておく必要があるものが増えているそうです。
患者様側には、手荷物を置けるようにカウンターを設けました。
これも、ご要望の一つでした。
天板と同じ木目柄で、出っ張りすぎないようにサイズを調整。
また、角の部分はぶつかっても危なくないようにRをつけました。
さらに、細かいマニアックな話ですが、小口にはリンクルエッジという小口化粧材を採用。
天板部分にはすべてリンクルエッジを使いました。
リンクルエッジは厚みのある樹脂製の小口材です。
メラミン化粧板で作った什器で、たまに言われるのが角の部分が痛いということ。
これは、メラミン化粧板やポリ合板で作った什器の宿命です。
小口にはメラミン化粧板を貼っています。
このメラミン化粧板は薄くて硬いので、切口部分が鋭利です。
小口テープで仕上げても同様です。
コスト優先の場合には、メラミンや小口テープで仕上げます。
幼稚園やクリニック、養護老人ホームなどで設置する場合には、小口の仕上げ方法に気を配っています。
小口を貼るのではなく、元々丸みを帯びた形状になっている天板なんかもあります。
什器のサイズや形状、ご予算などに合わせて色々と使い分けています。
椅子に座って、作業性なども確認してもらい、とても喜んでもらいました。
先生とスタッフの方で、患者様が来られた際のシミュレーションをしていた様子がとても微笑ましかったです。