8メートルあるBIGなビュッフェカウンターを製作~工場からお届け~
工場からお届けシリーズ。
普段は見ることがない、製作途中の家具をご紹介します。
今回は、商業施設の中に出来るカフェに設置する特大のカウンター什器です。
ビュッフェスタイルのカフェになるそうで、レジ台と料理が並ぶカウンターが一体となったデザイン。
設置場所は、入り口から一番目に入りやすい目立つ場所です。
大きなRと縦のスリットが印象的なカウンターです。
このR部分側とL字型の短い部分がレジカウンターと飾り棚になっています。
今はまだ設置されていませんが、可愛い丸形の照明がこのカウンター上に設置されます。
1段下がった長ーいカウンターがビュッフェ台になっています。
Rの部分から端までは8m近くあります。
ビュッフェカウンターというだけあってなかなかの大きさです。
カウンター下のオープンになっている部分は、食器やカトラリー置くスペースになるそうです。
そのオープンの棚の部分には現場で間接照明を取り付ける予定とのことで、照明用の彫り込みもされています。
テープライトが普及したおかげで、省スペースで施工できるようになりました。
意匠としてメラミンを細く割いてスキマをあけて貼っていく、透かし貼りのデザインになっています。
けれどこれが、かなり大変な作業だったそうです。
そうだろうな、と図面を見ていた段階で実は思っていました(笑)
そしてもう一つ、図面の段階で心配していたこと・・・R部分にこの細いメラミン貼れるかどうかでした。
職人さんに確認して、担当の方と幅の打ち合わせして調整をさせて頂き、綺麗におさまりました。
これだけ大きいカウンターだと何個かに分割して現場に運んで設置します。
現場で什器同士をズレないようにぴったりとひっつけるのは大変です。
箱の形状部分は側板同士をビスで結びます。
ただそうすると、什器と什器のジョイント部分にはラインがでてしまいます。
黒っぽい色の家具であればラインはあまり目立たないのですが、今回のように白っぽい什器ではラインの黒い筋が目立ってしまいます。
そのため、現地で什器を組んだ後に小口を現場で貼るようにしました。
細かいですが、意匠的には大切な作業です。
箱の部分はビスで止めることで引っ付きますが、天板や棚のあたりは段差などのズレや引っ張ることが出来ずにスキマができてしまうことが。
それを防止するのに使うのが・・・
「ビスケット」です。
何やら美味しそうな名前ですが。
これ、実は正式名称です。
ビスケットだったりジョイントプレート(ビスケット)だったり。←商品名としてこのように表記されています。
つなぎ合わせる部分に、ビスケットに合わせて溝を彫る必要があるのですが、その工具の名前もビスケットカッターと言います。
独特な、そして少し物騒な言い回しの専門用語が多い建築業界の中では可愛らしい名前です。
このビスケットはただ差し込んで終わりではありません。
水を含むと膨らむ(膨張する)のです。
溝とビスケット自身にボンドを塗ってつなぎ合わせると、膨らんでしっかりと引っ付いてくれるのです。
ボンドの水分でも十分膨らんでくれます。
あれ?これあれと似ている…と思われた方もいるかもしれません。
その方は、きっとDIYが好きだったり、家具を自分で組み立てたことがある方のはずです。
組み立て式の家具などで、ビスを使わずに作る際に使用されている木ダボと同じ原理なのです。
もしかすると、ボンドは使っていなかったかもしれませんが使うと強度が増します。
話が少し逸れましたが、あの手この手を使って分割した什器を綺麗にぴったりと繋ぎました。
この什器の天板はメラミン化粧合板で仕上げていますが、定番の木目柄ではなく大理石調の石目柄です。
ラインナップは木目柄に比べると少ないですが、大理石調や石目柄は人気のトレンド柄です。
本物の大理石や、人工大理石、フィオレストーンなどは高くて予算が合わない。
そんな時には、この石目調のメラミンを採用するのも手です。
今回は、人気の白系。
白地に黒のマーブル柄は上品で高級感があります。
他にも石目調のメラミンにはベージュ系のボテチーノや黒系のネロマルキーナのような柄も用意されています。
特に、料理を取るときにこぼしてしまいがちなビュッフェカウンターは汚れやすく、アルコールや水拭きをガンガンするところです。
そういったところにはお手入れのしやすいメラミン天板はうってつけですね。
この大きなカウンター以外にも、収納棚やソファーの台座なども合わせて製作しています。
以上、なかなか普段は目にすることのない、製作途中の家具を工場からお伝えいたしました。
次回もお楽しみに!!