スーパーマーケットやお惣菜屋さんの店舗で活躍中!炉曲げ(R曲げ)の扉をつかった什器。
突然ですがこれ、何だと思いますか?
これだけ見ると、いったい何なのか分かりにくいかもしれません。
けれど、目にしたことはあるはずです。
どこで見たことがあるのか。
そう。スーパーのお惣菜売り場です。
セルフサービスで、容器に入れるお総菜コーナーなどに納品した什器です。
今日は、この惣菜コーナー什器の扉についてご紹介します。
このRになった扉は、アクリル製です。
R曲げまたは炉曲げ扉と呼ばれています。
炉曲げと呼ばれる所以は、アクリル板を炉で加熱して全体をぐにゃぐにゃに柔らかくしてから、成型するためです。
この成型に必要になってくるのは木型です。
ほしいサイズのRの形状に合わせて木型を作り、熱を加えて柔らかくなったアクリルをのせて、冷やすと完成です。
アクリルは熱で収縮し、加熱前と加熱後で寸法が大きく変わります。
そのため、欲しいサイズよりも大きなサイズのアクリルが必要になります。
そして、思ったサイズには仕上がりません。
なので、Rの形に冷やしてから必要なサイズにカットして完成です。
その思ったサイズに仕上がらない。
ころを身近でイメージしやすいのは、プラバンです。
子供のころに、プラバン作ったことありませんか?
最近は、ハンドメイドのアクセサリーでも人気です。
プラスチックに、絵を書いたり色を塗ったりしてトースターへ。
熱されて、プラスチックがどんどん縮んでくるっと丸まったり。
取り出して、本などで重しをして平らにしたら完成。
作ったことがある人ならピンと来たはずです。
プラスチックの板がびっくりするぐらい小さくなる。
それで失敗した経験のある方もいるはずです。
私自身がそうでした。
アクリルも同じように熱で収縮し、加熱前と加熱後で寸法が大きく変わります。
なのでRの形になってから必要なサイズにカットする必要があるのです。
このR曲げの扉を作るのには、木型が必ず必要になります。
しかも写真のように、引き違いの扉の場合には2つ必要です。
下の扉に、上の扉がかぶさる形で開け閉めするからです。
なので、微妙ですがサイズが違ってくるのです。
ただこの型は、同じサイズ(同じRの径)なら何度でも使いまわしが可能です。
型を作る費用も発生するので、1セットや2セット・・・というのはもったいなかったり。
同じ什器を複数台作る場合向けにはなってきます。
ただガラスで作ることを考えると、コストは抑えられます。
ガラスは、アクリルに比べると軟化温度がものすごく高いので、型が木ではなく金型となります。
このアクリル扉は、ハカマを取り付けたりレールを取り付けたりする必要があります。
そのために、穴をあけたり切り欠きをする必要もあるのです。
もちろん、これも成形が完了してからの作業となります。
アクリル、木工、金物。
場合によっては、照明なども絡んでくる場合もある超大作の什器なのです。
それぞれの部材をバラバラのところで発注して、アッセンブリーするのはなかなか難しい什器です。
弊社では、このようなスーパーマーケットやお惣菜屋さんの店舗にあるような什器を数多く手がけています。
今回、ご紹介したのはR曲げ扉のお惣菜什器ですが、通常の引き違い扉を使った什器も製作しています。
コロナ禍で、パンや揚げ物などセルフサービス式の食品の取り扱い方も変わってきています。
せっかくおいしそうなパンが、ビニールの袋に入って並んでいるのを見るとちょっと残念になってしまう今日この頃・・・
そんな残念を払拭してくれる、什器も作っています。
別のブログでご紹介しているので、気になった方は写真をクリックしてご覧ください。